ぴあぴあだより

おんがく教室ぴあぴあからのお知らせです。

新しい先生(生い立ちと教室が出来た経緯③)

新しい先生

お弁当とレッスン

大手楽器店の音楽教室を辞め
ご自宅でレッスンをされている
ピアノの先生の所に通い始めます。

私は、小中高一貫校に通っていて電車通学でした。

土曜日の学校帰りに(当時は土曜日午前中学校がありました)
芦屋川を通り過ぎ、
そのまま御影にある先生のお宅まで
通っていました。

お弁当持参です。

先生のお宅で
他の生徒さんがレッスンを受けている傍らで
お弁当を食べ、レッスンが始まります。

「週末」
「学校帰り」
「満腹」

と条件が揃い、よくレッスン中に睡魔に襲われていました。

ですが、

「がんばって電車に乗ってきて、お腹いっぱいで眠いよね。」

と笑って下さるようなやさしい先生でした。

レッスンの内容は、オーソドックスで

「バイエル」
「ブルグミューラー」
チェルニー
「ハノン」
「バッハインヴェンション」
ソナチネアルバム」

ピアノを習う人が一通り通る
セオリー通りのルートを粛々と進むものでした。

曲の研究と研究発表

レッスンで弾く曲は当時の私には退屈で、あまり魅力的な曲はありませんでした。

練習も好きではなかったです。

けれども、ピアノを弾いて遊ぶのは大好きで
アニメ曲から始まった耳コピ遊びは幅を広げ

ゴダイゴ
サザンオールスターズ

など、よく弾いていました。

音楽は不思議でした。

限られた音を組み合わせているだけなのに

楽しかったり
悲しかったり
勇ましかったり

ゲゲゲの鬼太郎」になったり
サザンオールスターズ」になったり
「演歌」になったり

何でも出来るのです。

一人でいる時間は

歩いていても
電車の中ても
授業中でも(主に算数)

いつも何か曲を頭の中で再生して
音を探っていました。


レッスンはクラシック曲だけでしたが、

時々遠慮がちに

「先生、サザンオールスターズの「チャコの海岸物語」がバイエル教則本のこの曲に似ているのは、どうしてですが?」

など質問していました。

弾いてみせると

「あー同じ調だから色合いが似ているのかな。2つとも同じ和音で終わるでしょ?」

と、調性についてサラッと教えて下さいました。


ちょっとした説明でしたが、その説明をヒントに
他の曲の最後の和音を比べてみたりして
どんどん曲の研究にのめりこんでいきました。

そのうち、先生の方から

「今日は(レッスン曲以外に)何を弾いてきたの?」

と聞いて下さるようになり

レッスンの初めの5分間が
私の研究発表の場になっていました。

肝心のレッスン曲は耳コピの合間に
弾いていただけですが
そこそこ上手になってきていました。

ピアノを始めて間もない頃は
「何を弾くのか」
よりも
「どれだけピアノを弾いたのか」

で上達が違うのかなと思います。
何でも良いから
ピアノを弾けば弾くだけ上手くなるという事です。

そのうち練習量だけでは壁を越えられなくなる時がきます。

だから、初心者の時期は
出来るだけ好みで曲を選んでほしいと
思っています。

「同じ曲しか弾かないんですが…」
とか
「もう合格した曲ばかり弾きます。新しい曲は練習したがらないんです…」
と、保護者からのご相談をよく受けるのですが、
心配はいらないです。
始めのうちはピアノを弾いている時間が上達に正比例します。この時期の私がそうでした。


逆に言うと
練習時間は同じなのに、
上達を感じられなくなったときが、

おめでとうございます!初心者卒業です!

練習する曲と内容を少しづつ
見直す時期です。

そんなこんなで、
少し変わった生徒でしたが

のんびり楽しいピアノライフを過ごしていました。